ウェブサイト構築サービスが一般的になり、Microsoft Wordが使える程度のITリテラシーがあれば、ホームページの制作と運用ができる環境が整っています。しかも、多くのサービスは、基本機能が無料で提供されています。(正確には、ホームページではなくウェブサイトと言うべきですが、本稿では両者を区別なく使います。)
こうしたサービスが提供できるのは、基本機能は無償(フリー)を提供し、進んだ機能に対してプレミアムの支払いを求める、「フリーミアム」というビジネスモデルを採用しているからです。
昔話になってしまいますが、インターネットが一般のものとなった1990年代半ばには、ホームページを制作・運用するのには、技術的にも、金銭的にも大変でした。ECサイトの構築には1億円かかる、と言われた時期もあります。詳細は省略しますが、自社にサーバーを設置し、インターネットに接続する回線を契約して、コンテンツの制作はプログラミングでした。この記事のアイキャッチ画像は、コンテンツ制作に用いられるJavaScriptというプログラミング言語のソースコードです。アクセス解析等も、自前ですべて用意する必要がありました。一般の個人や小規模事業者が運用できるような代物では全くなかったのです。
それに比べると、技術的にも、金銭的にも、ホームページの制作と運用の敷居はほぼなくなったと言えるでしょう。一般の方には暗号のように見える複雑怪奇なプログラミングは不要で、Wordで文書を作るように簡単にコンテンツを制作できます。費用面も極めて負担が少なく、実際、このホームページを立ち上げたときには、ドメイン(nakatsuyama.biz)の取得と運用にかかる費用しか払っていませんでした。ドメインの取得費用の380円と、2年目以降の維持費用の年額1,480円(いずれも税別)だけで、独自ドメインのホームページとメールを運用していたのです。
ちなみに、当初利用していたサービスは、ZOHO SitesとZOHO Mailです。どちらも日本語の情報があまりないのが難点ですが、無料で独自ドメインを設定できます。
その後、WordPressで顧客サイトを作ることが増えた関係で、現在は当サイトをWordPressで運用しています。
「無料で運用できて、検索上位に表示されるサービスは何か」という質問をいただいたことがありますが、答えは「条件を満たすサービスはない」です。少なくとも、自前のドメインを取得する必要があります。
検索エンジンは、サイトの価値を検索結果のランキングに利用しています。無料でサービスを利用する場合には、ドメインが共通になります。同一のドメインに、玉石混交のコンテンツが存在することになります。とくに粗悪な「石」が問題で、フィッシングやアダルト情報など、検索エンジンが有害だとみなすコンテンツがある場合には、そのドメイン全体の価値が下がります。それもゼロではなくて、マイナスの評価となります。
前述のように、このサイトは当初ZOHO Sitesを無料で利用していましたが、独自ドメインを設定していました。(利用するサービスによっては、独自ドメインの設定は有料プランだけの機能となっています。)このように、独自ドメインを設定することで、有害コンテンツと一緒くたにマイナス評価される危険を避けることができます。
「今はまだホームページを開設しないが、いずれ開設したい」という方が多くいらっしゃいます。「書くべき内容がない」とか「もっとサービスを磨いてから始める」という理由が多いのですが、中には「もっとITを学んでから、自分でサイトを構築する」とか「そうそう更新できないので、ほったらかしだとマイナス評価になってしまうから」という人もおられます。
検索エンジンがコンテンツをどう評価するかは公開されていませんが、サイトの運営期間がランキングに影響すると言われています。歴史のあるサイトの方が、検索結果の上位に行きやすいということです。影響度合いは大きくないと思われますが、それでも早めに公開するに越したことはありません。
開業したばかり、あるいは開業準備中で、まだ仕事が十分に獲得できていないときこそ、空いた時間を活用してホームページを開設すべきです。
ホームページ制作を業者に依頼した場合、内容にもよりますが30万円から80万円程度かかります。高額と思われるかもしれませんが、どうしても自力で制作できない場合には、外注するのもひとつの手です。慣れないことに取り組んで、いたずらに時間を費やし、ストレスを感じるよりは、業者に頼んだ方が得策です。
ITに馴染みのない方が、ゼロから勉強してサイトを作ろうとしていた例もありましたが、まずは既存のウェブサイト構築サービスの利用を考え、要件を満たさないのであれば外注すべきだと助言しました。HTMLやPHPを勉強しておられたので、そのアプローチでは何年かかるかわからないからです。公的機関の研修などを利用すれば、確かにキャッシュアウトは減るでしょうが、時間という、最も希少な資源を浪費してしまいます。時間だけは、誰にも平等で、しかも一度失ったら二度と戻ってきません。
開業届を出す前であれば、開業費として計上することもできます。開業費は繰延資産で、償却は任意です。会計に疎い方はピンと来ないかもしれませんが、売上が少ないときに経費として計上しても、税制上はメリットがありません。売上が増えてきたときに償却すれば、節税効果があります。
ホームページ制作には、小規模事業者持続化補助金のような補助金を利用することもできます。補助率は3分の2、上限50万円です。ただし、小規模事業者持続化補助金では創業予定者は対象外で、すでに開業している必要があります。
顧問契約の一部として、所定の範囲でホームページの制作・運用を行います。また、ホームページの制作・運用だけでも承ります。
通訳ガイドおよびインバウンド事業者限定で、ホームページの制作・運用サービスを格安でご用意しています。
サービスの詳細につきましては、JAPAN-INBOUND.NETのサービス紹介をご覧ください。
いずれのケースでも、お気軽にご相談ください。